
まるで茶室のように精錬でミニマルな寶眞亭さんの店内空間。とにかく物が少ない店内の小上がりの片隅にポツンと置かれた「作品」が目に止まるのにはきっと理由があるのでしょう。果たしてそれは寶眞亭さんの店内空間でも数少ない「動きのある造形物」だからでしょうか。その正体は「靴ベラ」ですが、店主さん
曰く、ご先代がどこからともなく入手されて以来、三十年余り、小上がりの脇に鎮座し、来る日も来る日もお食事をされたお客様の帰りの足支度を支えて来たのです。宴が興じてほろ酔いのお客様が踏んづけたり、お子様が悪戯して叩いてひび割れたり、おばさんが座布団の下敷にしたり。三十年ともなればアクシ
デントの一つや二つありそうなもの。それらを免れ、おもてなしのための控え目な小道具として寶眞亭さんのお店を構成する大切な要素となって来た逸品。瑠璃細工の色彩と軽快な造形。三十年以上、幾多の岡谷の人々の手足に優しく触れてきた小上がりの日常に、ミニマルな空間と道具の無の境地が宿ります。(素材:ベークライト)
昼:11:30~13:30
夜:17:00~21:00
水曜日