
今から270年ほど前、小矢部にある白馬山・愛宕神社の森は、天狗が住むと言われるほど大きな杉が立ち並ぶ薄暗い場所でした。その森の中に、一本の古い大きな藤の木がありました。
ある日、町の人たちがこの森を通ると、どこからかかすかな歌声のような音が聞こえてきました。不思議に思って声のする藤の木に近づいてみると、そこには立派な「翁(おきな)の面」と「鼓(つづみ)」、そして「笛」が枝にかけられていました。周りには誰もおらず、あまりに立派な品だったため、人々はこれを町の宝物として持ち帰ることにしました。
しかし、これほど立派なものを自分たちだけで持っているのは気がかりだという話になり、相談の末、当時の前田の殿様へ献上することにしました。殿様は大変喜ばれ、返礼として、献上したものと同じ面・鼓・笛を新しく作らせるとともに、「千枚分銅」と「菊の鳥居」の紋章を町の人々に授けました。
町の人たちは、授かった宝物をしまい込んでおくのはもったいない、みんなに見てもらえる良い方法はないかと考えました。そこで、高岡の「御車山(みくるまやま)」のような立派な山車を作り、これらの品を御神体として掲げて町を練り歩くことを思いつきます。
これが、毎年4月29日に行われる愛宕神社の春祭り、現在の「石動曳山祭」の始まりであると伝えられています。祭りの当日は11台の豪華絢爛な花山車が曳き回され、町を盛り上げ、守り続けています。
住所 : 〒932-0043 富山県小矢部市畠中町11
専用駐車場なし(住民の方々のご迷惑にならない様注意しながら周辺に停車してください)