
昔、村の真ん中に大きくて立派なお寺がありましたが、なぜか釣鐘がありませんでした。そこで村の門徒たちはお金を集め、村で一番の正直者である「たろべえ」を京都へ買いに行かせることにしました。初めて京都の町を訪れたたろべえは、その賑やかさに目を奪われ、釣鐘を買うことをすっかり忘れて遊び歩いてしまいます。持ってきたお金が残りわずかになってから、ようやく本来の目的を思い出しました。釣鐘屋を見つけたたろべえですが、残りのお金では本物の釣鐘は買えません。何も持たずに帰るよりはマシだと、店先にぶら下がっていた「看板用の木の釣鐘」を売ってほしいと頼み込み、それを買って村へ戻りました。村人たちは釣鐘を見て大喜びし、報恩講の日に村で一番綺麗な娘が最初につくことになりました。しかし、娘が釣鐘をついても、間抜けな音が響くばかりでした。どうしたことかと若い衆がたろべえを呼びに行くと、たろべえは合わせる顔がなく、布団をかぶって「木でできている鐘だから鳴らない(ならん)」と小さく呟きました。それ以来、このあたりでは「申し訳ない」ということを「気兼ねでならん(木鐘で鳴らん)」と言うようになったそうです。
住所 : 〒932-0017 富山県小矢部市了輪18
駐車場あります